9月中旬の定植を目指して育苗中です。親株から伸びたランナーの先にできる子株を小ポットに留めて苗にするわけですが、発根から時間の立ったいわゆる太郎苗の老化を嫌って普通はそれを使いません。プラスチックの小ポットの底に密集して茶色く変色した老化苗は、確かに見るからに活力を失って、定植時にクラウン径を1センチまで太くするという成長力はないようです。その対策として、ポット底に土を足して根の生育余地を作る、足し土をします。栃木の吉村農園さんが紹介されている技術なんですが、昨年確かに効果的でありました。
![](http://kanagawa.itigo.jp/wp-content/uploads/2022/08/83959A3E-F7EC-4D71-8D98-14ECC97313A0-scaled-e1660051645128-1024x768.jpeg)
写真は、一般的な黒い塩ビのポットと、八ヶ岳の苗屋さんが使っている青いポットの比較です。黒いポットは、根が底に分厚く巻いてから壁面沿に上昇してくるのに対して、青いポットは底の根巻きが薄くてスッと壁面の溝に沿って根が立ち上がってきています。上に根が立ち上がってくると、水やりの浸透が良いように思います。大量に並べたポットに水を吸水させるのは意外に難しい。ポット上面の土が濡れているようでも、中はカサカサというのが結構あるんです。青いポットはしっかりした素材で、縦に走る溝が深く根が立ち上がってきやすいように設計されたものです。