地元の旬の食材

地産地消の宅配 津久井在来大豆の豆腐 座間の外狩豆腐店

地元座間の津久井在来大豆とにがりだけで作るこだわりの外狩豆腐店さん

豆腐屋の朝は早い。72歳になった今でも3時には作業を始める。地元座間の農家7軒が栽培した津久井在来大豆を大量に買い上げて、持続的な生産に貢献している。

甘味は強いが豆腐向きではない津久井在来大豆を、豆腐向きの佐賀産フクユタカとブレンド、にがりのみで寄せることで、コシがあって甘い極上の豆腐を作り続けている。

愛知県生まれの外狩勝さんは、6人兄弟、親戚の豆腐屋で働くかたちで15歳の時に神奈川に出てきたという。奥さんは、同じく愛知県の農家出身で7人兄弟、こども時から農作業や海苔採取などなんでもやってきた働き者。

10年の修業ののち独立、当初は外国産の大豆を凝固剤で寄せる普通の豆腐を量産して卸販売もし、寝る暇もなく二人で働いた。地元の消費者の声をきっかけに国産大豆100%、にがりのみの豆腐作りにも取り組み、完全に切り替えて20年ほどになる。

「最初はうまくいかなくて毎回捨てたよ」、それでも持前の探求心でだれもの教わらず独自の方法を編み出してきた。

「いっとき次男に豆腐屋を継がせるつもりで一緒にやったんだけどね、そもそも大変な仕事だし不向きで無理だと思ったので、もういいから好きなことをやれって言ったんだよ」 今では3人のお子さんはそれぞれの職業についているという。

外狩さんのおいしい豆腐づくり、誰もの引き継がないのは残念、日本にとって損失ですよね、と聞いてみたが「無理してもしょうがないしねぇ、いいんだよ。俺はうちの豆腐が食べたいっていう人がいる限りはできる範囲で頑張るけど」と明るく言われてしまう。

後継者と一口に言っても、無理して家業を継いだことでうまくいかなくなる家もある中で、ご夫婦が元気で頑張ってくださっている間はありがたく豆腐を食べさせていただこう。

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